幻のアニメーション映画
『 口腔衛生 』
「文部省選定映画 口腔衛生 ライオン歯磨口腔衛生部特作」というタイトルで、1923年に制作された映像は、線画によるアニメーションと一部歯磨きをする家族、子供たちが描かれています。
制作者の北山清太郎は、下川凹天、幸内純一と並びわが国のアニメーション作品の祖と呼ばれ、それぞれ1917年(大正6年)に日本初のアニメーション作品を手掛けました。
「口腔衛生」のフィルムについては、国立映画アーカイブやアニメーション関係者の間でも所蔵確認されておらず長く幻の作品とされておりました。
北山清太郎作品としては、関東大震災などの影響もあり、明確に現存する作品は皆無でしたので、本作品は日本のアニメーション映画史の歴史的作品となります。
本作は約8分30秒の作品で、フィルムの状態は大正12年制作という100年ほど前のものとしては大変良い状態で保存されております。
貴重なフィルムを保存されていたのは、映写機とフィルムのコレクターであった宮國 登氏。DVDや配信などない時代に自宅で映画を上映するという映画愛好家の夢を実現するため映写機とフィルムを収集された宮國さんの映画愛、意思を引き継いで欲しいと奥様 宮國美恵子さんから当NPO法人に寄贈されました。